OSGeo日本支部のベンカテッシュ ラガワン氏と、嘉山 陽一氏が2019年7月17日(水)に国際地図学会議(ICC2019)会場において一般社団法人 地理情報システム学会 GIS資格認定協会よりGIS名誉上級技術者に認定されました。
GIS名誉上級技術者はGISの活用・普及の推進に優れた功績を有し、長年GIS分野に貢献された人物に送られる称号で、長年オープンソースの地理空間ソフトウェアの開発・普及に貢献してきた両氏の功績が高く評価され地理情報システム学会会長より授与されたものです。
OSGeo日本支部では今回の両氏の認定を励みとし、これからもオープンなGISの普及・促進を通じて社会に貢献してまいります。
【両氏の略歴】
ベンカテッシュ ラガワン氏は20年以上、地理情報システムの開発者として様々なWebGISの開発に携わるとともに、オープンソースGISのソフトウェアの普及活動に大きく貢献してきました。
早くから日本のGRASS GISの開発コミュニティにおける中心的活動に関わってきました。例えば、GRASS GISの日本語化とインターネット講座が実績としてあげられます。また、大学の教育・研究におけてGISを活用し、国内海外に多くの優秀な人材を輩出してきました。
現在世界でオープンソースGIS全体の代名詞として一般に使用されている”FOSS4G”は、ベンカテッシュ ラガワン氏による発案です。
近年では、OSGeo財団代表を務め、FOSS4G Asiaを設立するなど、世界のオープンソースGIS分野における日本のプレゼンスを高め、世界の開発コミュニティと日本との橋渡し等で大きな貢献をしてきました。
1995年~現在 日本情報地質学会評議員
2006年~現在 OSGeo財団日本支部 理事
2014年~2016年 OSGeo財団 代表
2015年~現在 Spatial Information Research, Co-Editor-in-Chief
2006年~現在 大阪市立大学大学院創造都市研究科(大阪市立大学学術情報総合センター,兼任)教授
嘉山 陽一氏は30年以上、地理情報システムの開発者として様々な研究や開発に取り組んできました。特にWebGISや、SNSとGISの融合など、近年一般化したGISの機能について先進的に取り組み、実装した開発者の一人であるといえます。
また近年では、オープンソースGISの改良活用を通じて、GISの普及に大きく貢献しています。なかでも文部科学省受託プロジェクト研究「F0SS4Gを活用した衛星データの利用のためのオープン・リソースの構築」(2009~2011年)では中心的参画者としてオープンソースGISの活用のための基盤構築に多大な貢献をしています。上記プロジェクトでは、特にQGISの日本語化を担当し、これによりGISの専門家のみならず、Civic Techと呼ばれる技術者や一般市民による社会問題解決や、自治体にける地理情報システムの活用など、幅広い分野でのGISの活用が進みました。
また2012年からは、我が国の地理空間情報の基盤として活用が期待されているG空間プラットフォームの開発にも大きく貢献しています。
2006年~現在 OSGeo財団日本支部 運営委員
2010年~ 現在 地理情報システム学会 FOSS4G分科会 幹事
2012年~ 現在 QGIS翻訳チームコミッタ
現在 朝日航洋株式会社 G空間研究所 主席研究員
受賞の様子
(左から小口 高会長、ベンカテッシュ ラガワン氏、嘉山 陽一氏)